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祖母がポツリポツリと語り出した話...
それは静養に来たこの地、山口県のとある村に来た時からのものだった。
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私がこの地に来て半月がたった頃、外へ出たがらない私を使用人のマツがお稲荷様に連れて言ってくれたのよ。
ちょうど叔母が見合い写真を持ってきてね、私はそれがうんざりだったの。
マツがそんな私に気を利かして散歩に連れて行ってくれたわ。
今日みたいな暑い日で、私は影の中を好んで長い階段を上り始めたの。
当時は着物だったから余計暑くて…
上りきって、お社に行く途中にふわぁっと意識がなくなってね。
気付くと私は熱いものにしがみついてたわ。
それが私の初恋の人よ…
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