第二十二記

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0720時 行方不明 君たちは知ってるだろうか。冬に凍えながら睡眠をとったらどうなるかを。 どんなに寒くても睡眠を取る事は可能だ。体温が一定以下に下がると人間は次第に眠気を感じるものだからだ。雪山で遭難して『ねみー』『寝たら殺すじゃなかった死ぬぞ!』のやり取りはここからくるわけだな。 川 ゚ -゚)「……」 睡眠中は有効な防寒ができない。気温の変化にも対応できず、いつの間にか低体温で死んでいくわけだな。 そして……。 「――クー! どこだおー!」 川 ゚ -゚)「きた! こっちにいるぞブーン!」 「――んー……こっちじゃないのかお?」 川 ゚ -゚)「だからこっちだって言ってるだろ!」 「ん? 足元から声が」 川 ゚ -゚)「そう足元だ! その氷を割れば私に会えるぞ!」 「ブーン、クーはいたか」 「いや」 川#゚ -゚)「裏切る気か貴様!!」 「ブーン、足元から声が!」 「多分地獄の使者からの声だお! 逃げるお!」 「そうだな! わー」 川 ゚ -゚)「…………ふざけてるのか? わざとか? 私を殺す気か?」 私の寝ていた穴は被せていた屋根が雪に埋まり、氷で固まり、出られなくなっていた。 これぞ冬の醍醐味! そして助けてくれないのも冬の醍醐味! そう思うしかない。 川 ゚ -゚)は平和な最前線にいるようです 第二十二記
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