ソウヤッテマエニススモウ

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公園の横を通ると、さっきのガキが滑り台ではしゃいでいた。 あれだけ泣いてたのが嘘のように、キャッキャキャッキャ狂ったように走り回っては滑り、また走り。 それを見て、私もつられて笑った。 失恋して悲しんでいた、私が笑った。 特別ではない日常。 その中で学ぶ事。 それもきっと、特別ではなくて、あまりにも日常で。 自分しか見てないと、見落とすような輝きで。 ああ、キミト、ごめんね。 自分を責める前に、貴方に謝らなきゃ・・・。 私、見落としていたんだね。 ごめんね。 ごめんね、キミト。 いつか、この気持ち、伝えられるかな。 まだ無理かな。 でも、頑張るよ。 ちゃんと大人になるよ。 私、前に進もう。 毎日の特別ではない日常を噛み締めて。 そうやって、大人になろう。 きっと、そんな感じなんだろうから。 ポケットのチョコレートは、きっと、甘く切ない大人の味。 きっと、そんな気がした。
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