出逢い

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青年 「考えても仕方ないから、とりあえずついて行ってみるかな。」 青年は荷物を背負い、変わった槍を持ち織田勢について行こうとしたら1人の老人が少年に声を掛けた。 老人 「おい!坊主! お前こんな所で何をしてるんだ?」 青年 「ん?俺かい?俺はここで織田勢と今川勢の戦いを見てただけだよ。 お爺さんこそ何してるんだよ?」 老人 「儂は息子の戦振りを見に来てるんじゃ。 ここは坊主が来る場所ではないぞ! 早く立ち去るが良いぞ。」 青年 「息子さんが戦に来てたのか? それに別に良いだろ? たまたま通り掛かっただけなんだしさ。」 老人 「あぁ~。織田勢に居たさ。 それにたまたまだと? それで何処に行く気なんだ?」 青年 「織田勢ね… 行く宛なんかないよ。 只、何処の殿様の家来に成りたくて、この槍と兵法の修行を兼ねて各地を放浪してるんだよ。」 老人 「ほう。槍と兵法の修行を兼ねて各地を放浪か… それで誰の家来になるか決めたのか?」 青年は笑顔で答え。 青年 「ううん。まだだけど織田の殿様にでもとは思ってるんだけどね。」 老人は高笑いし。 老人 「ははは。坊主が信長様にか? 無理だ。無理だ。」 青年はムスッとして。 青年 「それは会ってみないと判らないだろ?」 老人 「いや。絶対無理だな。 何なら儂の所に来るか?」 青年 「へっ?お爺さんの所にって一体お爺さんは 何者なの?」 老人 「儂か?儂は只の爺じゃ。ははは。」 青年は呆れ返って。 青年 「何じゃそれ。期待して損した。」 老人「ははは。ここじゃ風邪引くから、とりあえず儂の家に来なさい。」 青年 「良いのかよ?」 老人 「勿論じゃ。 来なされ」 青年 「んじゃ、御言葉に甘えさせて貰うよ。」 老人 「では、参ろうかの。」 青年は老人の後を付いて行くのであった。 この出逢いが青年の運命を変えようとは知る筈もなかった。
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