出逢い

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青年と老人はある城に着いた。 老人 「ここが儂の家じゃ(笑)」 青年 「家って城じゃないか…」 そこに二人の門番が走って駆け寄り。 門番「と、利昌様! 一体何処に行かれてたのですか? 皆さん心配してましたぞ。」 青年 「やっぱり爺さん。あんたはこの城の主だったのかよ?」 門番 「無礼者!この御方は前田利昌様で、この荒子城の御城主様じゃ!」 利昌 「これこれ。儂は隠居した身じゃ(笑) 今は利久が主じゃぞ。 それにこの方は儂の客人じゃぞ。」 門番 「これは失礼致しました。 とにかく中にお入り下され。」 利昌 「ささ。中に入るぞい。」 青年 「あっ…あぁ~。」 青年は戸惑いつつも城の中に入って行った。 城の中に入り、利昌は青年に尋ねた。 利昌 「そう言えば、まだ名前を聞いてなかったな。 名は何と言うのじゃ?」 青年は急に畏まり。 青年 「これは失礼致しました。 私は、山陰は出雲の生まれで名は、新助と申します。」 利昌 「そう畏まらなくても良い。 山陰の出雲のお人じゃったか。」 新助 「はい。」 利昌 「新助殿は何故に地元で仕官しないで放浪してるんじゃ?」 新助 「一度は仕官の申し込みを致しましたが断られたので、兵法と槍の修行」 利昌 「そうじゃったのか… そう言えば、新助殿の槍は本当に変わった槍じゃが?」 新助 「これは、何故か我が家に代々伝わっていた「戟」なる槍だそうで。」 利昌 「戟?」 新助 「はい。これは突いても良し、払って良し、切って良しと言われてるらしいんです。」 利昌 「その戟とやらは実戦で使ったのかね?」 新助 「何度か山賊に襲われそうになった時に使いましたが、戦ではまだです。」 利昌 「出来たら戦では使わない方が良いのじゃがな… 今は乱世じゃから致し方ないか…」 新助は頭を掻きながら話をしていた。
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