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新助 「あのぉ~?
お邪魔なら行きますが?」
利昌 「これは済まん済まん。
客人を忘れる所じゃったわい。」
利久 「新助殿は何処に仕官されてる御方ですかな?」
新助 「いいえ。私は主を探してる浪人です。」
利久 「それならば、この前田家に仕官されては如何ですかな?」
新助 「はっはぁ~…しかし、私は織田信長様に仕官致そうかと思って所に利昌様に出会った次第で…」
利昌 「これ利久。
新助殿がお困りじゃぞ。」
利久 「しかし父上。新助殿が前田家に仕官されたら利家が喜びますぞ。」
新助 「いや。利久殿。私は何の武功もないのでお役に立てるか判りませんぞ?」
利久 「大丈夫ですよ。新助殿は兵法も学んでいるのでしょ?」
新助 「少しですが、孫子を学んでおります。」
利昌 「新助殿。幾ら本で学んでも実戦で使えねば役には立たない。
戦とは臨機応変じゃ。」
新助 「はい。利昌様の申す通りです。
私は如何に応用出来るかを生かせる主にお仕えしたいのです。」
利昌 「ならば尚更の事、利家に仕えては下さらぬか?
あやつは槍一辺倒じゃから、知恵がある方が側に居てくれた方が良いんじゃ。」
新助 「利昌様の御言葉は嬉しいんですが、私は利家殿と言う方は知りませんので、お会いしてから決めてはいけませんか?」
利昌 「それもそうじゃった。
先ずは利家に会うて下され。
利久。直ぐに利家に使いを出せ。」
利久 「判りました。」
利久は利家の元に使いを出した。
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