助力を購わんと差し出すは百合の花

7/7
前へ
/7ページ
次へ
「呼べと言っている」 「っ、承知致しました!」  こうなっては主君に逆らえるはずもない。一度床に頭を擦り、熊谷は部屋を辞した。その姿を見送ってから元就は鼻を鳴らし、独り言ちた。 「どうせ彼奴は近くにいる」  彼が文机にまっさらな紙を広げると、室内はまた重い静寂に包まれた。 .
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加