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シンの胸に吸い込まれていくような祈りだった。
「一生……あたしの傍にいてください……」
シンが長い手を伸ばし……
ゆっくり愛の額に自分の額をくっつける。
「あー……」
「?」
「超抱きしめてぇけど……それだけで終わせる自信ねーし……ここ学校だし……我慢するべき?……するべきだよな?」
葛藤しているシンを見て。
愛は小さく笑う。
お返し、とばかりに手を伸ばして、シンの首に巻き付けると。
背伸びをして、シンの唇に自分の唇を柔らかく押しあてた。
「……あのね……誰も見てないよ……?」
潤んだ瞳ではにかむ愛に。
…可愛すぎる……。
もちろんシンが普通でいられる訳もなく。
いつもと違う愛にただでさえ脆いシンの理性はあっと言う間に崩れ去った。
「きゃ……」
愛が驚く程の勢いで、シンは愛の身体を絡め取る。
シンの熱い身体は、昔からいつでも愛の心ごと攫っていってしまうのだ。
「シ」
愛が口を開く間も与えずにシンの唇が──…
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