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──バタバタバタッ
その瞬間、廊下に慌ただしい足音が響いた。
「!!」
2人は顔を見合わせて、その場にしゃがみ込む。
その足音はシンたちのいる教室の前を通り抜け、そのまま遠ざかっていき……
「……」
「……」
しゃがんだままのシンと愛は、2人で顔を見合わせて……
そうして、同時に吹き出す。
「……ふふっ……びっくりしたね……」
イタズラをした後の子供のように愛が囁く。
床にしゃがみこみ。
まるでかくれんぼをする子供のように。
2人は顔を寄せ合う。
「……約束する……ずっとおまえの傍にいる」
シンが頬にかかる愛の髪をかきやりながら、頬に優しく触れる。
たったそれだけの行為に、愛は微かに身震いしながら目を潤ませた。
気持ちの高ぶりを抑えることが出来ずに……。
「うん……あたしも……一生、離れたりしない……」
懐かしい教室。
机と椅子たちに囲まれるようにして……
2人は何度もキスをした。
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