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言っているそばから、
「シンさ~ん、ヤバいっす。ライムこんだけで足りますかね?」
大ぶりの冷蔵庫を覗き込んでいた大地が割って入ってくる。
こちらも短い金髪を立てるようにセットして、白シャツに細いネクタイ姿だ。
「あ~どうかな。料理に使わなければ……」
「使うに決まってんだろ!?……ったく、何でおまえは昔からそんな大雑把なんだよっ?」
素早くツッコんだのは、大きなフライパンを振り回している笹野。
こちらもフォーマルを意識した格好……だが、今はジャケットもスタッフルームに脱ぎ捨ててあるらしい。
「わりー。大地、買ってきて」
「今からっスかぁ?もうすぐ始まるのに」
「いいから、行け!」
「ったく、ムチャクチャ言いますね~……もう慣れましたけど」
ブツブツ言いながらも、出ていく大地を見送って。
シンは気を取り直したようにこちらに向かって身を乗り出す。
「それよか、おまえ聞いたぞ?思い切ったことするよなぁ?」
ニヤニヤしながらそう言うシン。
……と。
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