未来へ…

5/16
5845人が本棚に入れています
本棚に追加
/1066ページ
それをため息まじりに愛は見届けて。 「和葉。早かったんだね」 気を取り直したように、こちらに笑顔を向ける。 「ああ……うん。何か手伝うことがあるかと思ったんだけど」 「大丈夫。けっこう計画通りだよ。さすがあたし!」 笑顔の愛は、いつもとは少し違う華やかなメイクのせいか、一段と綺麗だ。 …ううん。きっと幸せだからだ。 思わず見とれてしまう和葉を、愛は逆にジッと見つめて。 「和葉~。なぁんか綺麗になったよね……」 身を乗り出すようにして、そう呟く。 思いがけない言葉に、和葉は柄にもなく赤くなりながら手を振った。 「やめてよ~。さっきも相川に、『珍しいカッコしてる』って言われたの。確かにワンピースとか久し振り過ぎてこっぱずかしいかも」 そう言う和葉は、長身に良く似合うマキシ丈ワンピースを着ている。 確かに、高校時代からの付き合いの愛にしても、彼女のパンツ以外の姿を見るのは制服ぐらいだった。 「珍しいけど、全然変じゃないよ?むしろ羨ましい……」 小柄な愛には、なかなか出来ないスタイルだ。
/1066ページ

最初のコメントを投稿しよう!