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それをため息まじりに愛は見届けて。
「和葉。早かったんだね」
気を取り直したように、こちらに笑顔を向ける。
「ああ……うん。何か手伝うことがあるかと思ったんだけど」
「大丈夫。けっこう計画通りだよ。さすがあたし!」
笑顔の愛は、いつもとは少し違う華やかなメイクのせいか、一段と綺麗だ。
…ううん。きっと幸せだからだ。
思わず見とれてしまう和葉を、愛は逆にジッと見つめて。
「和葉~。なぁんか綺麗になったよね……」
身を乗り出すようにして、そう呟く。
思いがけない言葉に、和葉は柄にもなく赤くなりながら手を振った。
「やめてよ~。さっきも相川に、『珍しいカッコしてる』って言われたの。確かにワンピースとか久し振り過ぎてこっぱずかしいかも」
そう言う和葉は、長身に良く似合うマキシ丈ワンピースを着ている。
確かに、高校時代からの付き合いの愛にしても、彼女のパンツ以外の姿を見るのは制服ぐらいだった。
「珍しいけど、全然変じゃないよ?むしろ羨ましい……」
小柄な愛には、なかなか出来ないスタイルだ。
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