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「じゃあ、鳥井くん、和葉、あたし手伝いがあるから……また後でね」
愛はニッコリ笑いながら、2人の席を離れた。
鳥井と和葉。
不思議な組み合わせに見えるけれど、こうして並べて見ると非常にしっくりくる。
誰に紹介されたわけでもなく、このバーで知り合った2人……
それを聞いたやすみの言葉は、
『やっぱり……和葉ちゃんとやすみって、男の人の趣味が似てるんだ!』
と妙に感心したふうだったけれど……言葉の意味はいまいち分からなかった。
まぁ、やすみの言葉を全て理解するほうが難しいのかも知れないが。
「あ、こんにちは」
色々な人に挨拶をしながら席を案内する。
誰もが何となく愛のことを知っているふうなのは、愛と同じ理由だろう。
人は多いのに、不思議に温かい雰囲気に包まれている空間。
「──愛」
声に振り返ると、カウンターからシンが手招きしている。
朝はしっかりセットされていた髪も、柔らかい髪質のせいかほとんどいつも通りになってしまっていた。
「なぁに?」
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