5845人が本棚に入れています
本棚に追加
真っ直ぐシンの心に響いてきた。
『悲しいとき。辛いとき。
やすみの傍にはシンくんがいた。
どんなに苦しい時でも、シンくんの存在を忘れたことなんか、やすみにはなかった……。
シンくん。やすみね。面と向かっては絶対言いたくないんだけど。
シンくんのことが、大好きだよ……』
シンは思わず手紙を閉じて、その手で顔を擦る。
…あいつ。反則。
そんなシンを見上げた愛が優しく微笑む。
「……ハンカチ、いる?」
「いらねーよっ」
そんなやり取りをしていると。
「シンさん愛さん、何してるんすか!?」
突然のマイクの声に、2人はビクッと振り返った。
全員が注目する中、マイクを握った大地がニヤニヤしながら2人を指差す。
「2人の本番はもー少し先っすからね!見つめ合うのは家でやって下さい!」
クスクスと笑いの起こる会場を見渡して、愛は真っ赤になった。
シンも手紙をポケットに戻しながら苦笑いを浮かべている。
最初のコメントを投稿しよう!