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胸が裂けるほど辛いこと。
涙が枯れるほど悲しいこと。
今までも沢山沢山あった。
そしてきっとこれからも……そんな出来事は襲い掛かってくるのだろう。
…それでも!
愛はゆっくりと瞳を上げて、シンの顔を見つめる。
同じようにこちらを見ていた焦げ茶色の瞳が、キャンドルの光を浴びてとろけるような輝きを増す。
2人で微笑み合うことのできる、幸せ。
…この甘い瞬間があるからこそ、あたしたちは前に歩いて行けるんだから……
「1……」
シンと愛は、手に力を込めると同時に扉を押し開く。
その向こうにはきっと……
輝くような2人の笑顔が待っているはずだ。
完
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