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そして……。
やはり高校時代の思い出が強く残っていたことが大きい。
イギリスでの暮らしは、新鮮で楽しくはあったけれど……。
不思議なものだ。
日本に置いてきた、色々なものの存在は、時が経てば経つほど愛の中で大きく膨らんできて。
誰と一緒にいても。
どんなに笑っていても。
寂しさを感じていた。
…大切な友達。
天然でマイペースだけれど、いつも素直で一生懸命なやすみ。
いつも冷静沈着、完璧な容姿を持つ、どこか自分と似た部分のある双樹。
そして……。
やんちゃな印象の残る、ワガママで俺様なのに、なぜか憎めない……シン。
そのシンとの思い出は、いつも愛の目を潤ませた。
楽しく、幸せな2人だった日々。
そして、胸を切り裂くような、別れ……
ただ、取り出して眺める思い出は、どれもとても綺麗で……
綺麗すぎて、切なくて。
結局、日本に帰ろうと決めた時には自分で自分に苦笑してしまった。
…もちろん……帰ってきたからといって。
今さらシンと縒りを戻すとか……そういう気持ちはない。
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