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童顔に、茶味がかった大きな瞳が嬉しそうに潤んで、愛を見つめている。
…この笑顔。
…この話し方。
「なんか、やっと帰って来たって実感するな~」
言うと、やすみも笑う。
「愛ちゃんも変わってなくて、何か安心しちゃった!」
愛の手から荷物を受け取ろうとして……
「あれ?荷物少ないね?」
「住所聞いてたし、明日に着くように手配して送ったの」
言うと、納得したように首を頷かせる。
「それより、ホントにマンションやすみが1人で決めて良かったの?」
聞かれて、愛は笑いながら頷いた。
「もちろん……逆に全部決めてもらってごめんね」
そう。
愛とやすみは、これからルームメートとして暮らすことにしたのだ。
「一応少し掃除もしたから、荷物が入ればすぐに住めるよ」
見た目に似合わない、家庭的なところも相変わらずだ。
やすみは、ニコニコしながら出口に向けて歩き出す。
「楽しみだね~」
「ホント。やすみは大学卒業したら双くんと住むって言ってたし……まさか、一緒に暮らせるなんてね」
言うと、やすみは唇を盛大に尖らせる。
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