白いちご

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顎をつかまれ、 口から零れた果汁を親指で無造作に拭って、 「ひと目では、真っ白いいちごにしか見えないけど、粒は真っ赤に染まり食べると甘い まるで秘めたる恋!」 チュッと親指に演出のようにキスをする。 「人知れずな恋?」 と、小首を傾げて聞くと、 「出来れば、魅惑的な恋と言ってもらいたいね!」 と胸を張って答える彼に思わず笑い。 「せめて、意味ありげな笑みでも作ってよ」 と涙を流しながらつっこむ。 真っ赤にしながら、 はははとごまかし笑いをする彼は、 まるで子供みたいだった。
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