追跡とストーカー

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(今日はシャワーを浴びてから大学に行こう…) 鏡をテーブルに置いて、クローゼットを開けて、中から服一式を取り出した。 カップの中の珈琲を一気に飲み干し、カップをキッチンに置いて、風呂場に向かう。 軽くシャワーを浴びてから髪を洗った。 髪をタオルで乾かしながら大学の準備をする、バッグの中に筆箱と教科書と手鏡を入れた。女性にしては比較的少ない荷物である。なおかつ、彼女は手鏡が必要かどうか最近悩みつつある。しかし、その判断はブロッコリーとカリフラワーを見分けるより難しいものである。 姫野はベッドの上に転がっている目覚まし時計を見た。七時四十五分、まだ大分余裕がある。 彼女は小さな鏡台の前に座って化粧を始める、軽くファンデーションを塗って口紅を引いた。 彼女は化粧の時間が極端に短い、二十分もかからない。 それからしばらく大学の友達の田中優と携帯メールで三十分程の世間話をして、腕時計を見た、八時三十五分、少しゆっくりしすぎてしまった。 姫野はショルダーバッグを肩にかけて玄関へ早足で向かう、スニーカーをはき靴紐を結んで部屋を出た。
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