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姫野の住むアパートから一番近い駅で友人の田中優と待ち合わせをしている。
姫野が駅に着いてから少し待つと、少し遠くから田中優が走ってきた。姫野は腕時計を見る、まだ電車には間に合う。
田中優は少し息を切らして姫野に駆け寄る。
「ごめん、ちょっと時間配分を間違えちゃったか。」田中優は茶色のショートヘアを片手でいじりながら言う。
「私がメールなんかしちゃったからかな、ごめんね。」姫野が顔の前で両手を合わせて謝る。
「全然いいよ。」田中優が片手を左右に振りながら言う。「さぁ、電車着ちゃうよ。」
姫野は小さく頷いた。
二人はホームに向かって歩きだす、駅員に定期券を見せてホームに入る、後ニ三分で電車が来るはずだ。
スピーカーからアナウンスが黄色い線の内側に入れという指示が流れる、すると左手の方向から電車が来た。
電車はゆっくりと停車してドアが開く、二人は電車の中に入った。
それから大学の話、携帯電話の機能の話、田中の家の近くの喫茶店の話などをした。
車内アナウンスから次の駅の案内が流れる。ちなみに、姫野達が降りる駅である。
「あぁ、眠たいよぅ」田中優が嘆く。
ゆっくりと電車は停車してドアが変な音をたてながら開いた。姫野と田中は人の流れに逆らわず歩き、駅員に定期券を見せて駅を出た、ここからN大学まで、歩いて二十分ぐらいである。
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