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ベッドに転がったレイは新学期が始まった学校について考えていた。
「どうせまた見下したような視線を受けるだけなんでしょうねぇ……」
クラスも変わった。担任も変わった。しかし自分のことが学年全体に知られているのならクラス替えに意味はない。
自分がどういうふうに見られるのかは嫌というほどわかっている。
なにせ『マーセル学園史上最低の落ちこぼれ』などと言われているのだから。
レイは学園に入学した3年前からずっとそう言われている。
入学して最初に魔力量を計った時に落ちこぼれのレッテルを張られ、それからずっとである。
「それも今更、ですね」
3年間も言われ続ければさすがに耐性が出来上がる。
レイは言わせておけと受け流す術を身につけている。しかし。
「ただ彼と一緒のクラスになったのは不運ですね……厄介です」
レイは自分とはあまり似ていない弟のことを思っていた。
同期の弟といっても双子ではなく年子だ。レイが4月2日、弟――ロイが3月27日生まれだ。
なにかにつけてレイをけなす、一言でいえば『嫌な奴』だ。
しかしロイの実力が実力なので簡単に喧嘩を吹っかけることはできない。
つまり結局は我慢するしかないのだが。
はぁ~というため息を吐いて、レイは眠りについた。
まだ夕方だったが、どうも気疲れしていたようだ。
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