Sirius Jackdaw

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両者に挟まれる格好となったシリウスに、二人は威圧的な雰囲気を放っていた。 帝国軍次帝官兼第一官隊隊長、ゲイル=ウォーカー。 帝国軍次帝官補佐兼第二官隊隊長、レベッカ=ハーディス。 世界最強と評される帝国軍、その頂点に立つ二人に退路を断たれる形になっているにも拘わらず、シリウスが焦りや恐怖といった感情を表すことはなかった。 そんなシリウスに、ゲイルは明らかな敵意を持った瞳を向ける。 「疑わしきは罰せずとも言うが、今の君を自由にしておくのはリスクが高すぎる」 「だから部下を同行させろとでも言うのか? まあ好きにすればいい。どうせ骨折り損になるだろうがな」 「……察しがいいのね」 追い詰められているにも拘わらず飽くまで冷静沈着な様子を崩さないシリウスに若干の畏怖を感じつつ、レベッカは呟いた。 その呟きを無視して、いやあるいは聞こえなかったのかもしれないが、シリウスは淡々とゲイルに言う。 「明後日の朝十時に出る。監視を付けたければその時に同行させろ」 それだけ言うと、シリウスは二人の威圧感などどこ吹く風と言わんばかりに堂々とゲイルの横を抜けて行った。 ゲイルはそんな彼とは視線を合わさず、目の焦点をシリウスが立っていた場所に合わせたまま立ち尽くしている。 「思考が読めませんね……」 シリウスが廊下から立ち去ったのを確信すると、レベッカは腕組みを解いき、目を閉じて小さくため息をついた。
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