A new school life

2/27
前へ
/428ページ
次へ
王立マーセル学園――この世界、サンクジックの中でも有数の大国であるアーメリアル国の辺境にある学園だ。 中では中等部、高等部に分かれていて、4月1日で12~14才の者は中等部、15~17才の者は高等部に通う。 この世界では魔法と呼ばれるものが普及しているため、この学園で学ぶのも魔法が中心となる。 そんな学園の門から入ってくる数多の生徒の中に、茶髪で細身の少年がいた。 周囲の視線は、ほとんどが彼に注がれている。 はっきり言って、あまり心地良い視線ではない。 そんな悪い意味での注目の的になっている細身の少年の背中を、彼よりも一回り身体が大きな少年が勢いよくひっぱたいた。 「よお、朝から暗いなぁレイは!」 レイはその少年を睨みつける。といっても、さして敵意が篭っているわけではないが。 「ハイドは朝から五月蝿すぎます。それともう少し手加減してください。リアルに痛いです」 悪い悪い、と特に悪びれる様子も無く平謝りをするハイド。 髪はかなり短い黒髪で、その短さ故につんつんに立っている。 鼻筋がすっと通った端正な顔出ちで切れ長の眼をしている。 一言で言えばイケメンで、それゆえに女の子にはモテる。 二人はだだっ広い校内を歩き、高等部一年の教室がある、一番東の建物の三階を目指す。 すでにクラスメートが集まっていた教室に入るやいなや、そこかしこからざわめきが起こった。
/428ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60240人が本棚に入れています
本棚に追加