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小さい男も座り直して頷き、ごくりと唾を嚥下する。
「このままではらちが明かない。どうにかしてあの者たちに一泡吹かせてやりたいのだが…」
何か、営業を停止せざるを得ない様な事件が起こらないものか。
いや、どのようなモノを起こしたらいいだろうか。
どうしたら、邪魔者を排除出来るだろうか…。
男は太い腕を組んだ。
「どうしましょうねぇ…」
小男も顎に手を置いて考える。
様々な事が明らかになってしまうから、自分達が直接手を染める訳にはいかない。
というか、そのような度胸も持ち合わせていない。
「我等に関わりの無い者がいいのだが。罪を擦り付けられる」
そんな都合良く動いてくれる者がいるだろうか。
単に金だけで雇うと、ばれた時に罪はこちらに振りかかってくる。
知り合いも然り。
事件を起こしたら、その者自身の仕業に仕立て上げられそうな者達…。
「どうすればよいだろう?」
二人揃って首を捻っていたら、
「憎しみの力を利用すればいいと思うよ」
突然、声が掛った。
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