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「ねぇ……歩くの疲れたよぉ」
普通なら歩き疲れより適温化の魔法を維持しているため魔力切れの方が先の筈だが、うちのご主人様は普通では無いため、そんな事を言ってくる。
「疲労回復の魔法か、肉体強化の魔法をかけてみたらどうです?」
「魔力は大切にしないと」
あなたは無限に近い魔力を持っていますよね? しかも、現在進行形で魔力を消費していますよね?
そう言っても無駄なのは出会ってから今日までの三ヶ月間で良く分かっていた。そしてこの後、ミューが言う言葉も分かっている。
「だから……おんぶ、して?」
うん、いつも通りだ。どうやらミューは僕に背負われるのが気に入ったようで、一日一回はこのやり取りをする。
断る理由が無いと言ったら嘘だが、ご主人様の頼みだし、ミューの今の不安げな顔を見たら断る事なんて出来ない。
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