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また首に回る腕に力が籠ったのが分かった。けど、今度のはたぶん安心したからか、嬉しさからかだと思う。だって「えへへ……」って可愛らしい笑い声が聞こえてくるし。たぶん『一緒に居たい』って想いが分かったんじゃないかな?
「…………あんまり気取ってんじゃねえぞコラ。ナイト気取りかぁ?」
リーダー格の男だけでは無く、周りの男達も銃やら剣やらを構えて近寄ってくる。余り良い光景では無い。
「別にナイトになるつもりはありませんよ」
だってこの子の方が数万倍強いし。もちろん比喩とかじゃなくて、本当にそれぐらいの力がこのご主人様にはある。
「――ただ、一緒に居たいだけです」
あっ、足をぶんぶん振り始めた。鼻歌も吹いて、本当に嬉しそうだ。場違いではあるけど。
男達はそんなミューを気にした様子はなく、ミューの可愛らしい笑い声とは天と地ぐらいの差がありそうな、男達の耳障りな笑い声が響く。
僕が耳を塞がないのはミューを抱えているからで、本当だったら両手でしっかりと耳を塞ぎたい所だ。現にミューはしっかりと両手で耳を塞いでいるし。
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