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バッと音を立てる勢いで振り向くと、いつの間にか俺のすぐ後ろには、一人の弓手の少年が座り込んでいた。
「いつまでも一人でちまちまちまちま天下大将軍射ってるってのもねー、精神的によくないよ本当。かなりきつい」
肩までの長さの茶髪を指先で弄りながら、少年は独りでぶつくさと喋り続ける。
「だから故郷のフェイヨンを離れて、気分を変えて首都まで来た訳だけど…やっぱりレベルの低いアーチャーなんて、誰も拾ってなんてくれないね。それでもう帰っちゃおうかなーなんて思ってたんだけど」
「……おい……」
「偶然にも丁度パーティ組めそうな子見つけたし、その子も暇っぽいし」
「……ちょっ……」
「という訳で、一緒にどこか行かない?そこのポリンつついてるマジシャン君」
「……ちょっと、待て」
「うん?」
俺はポリンを両手で掴むと、俺の横ににじり寄って来た弓手に向かって思い切り投げ付けた。
( ・ω・)ポリーン
ぽよん
「あ痛」
「一人で話を進めるな、馬鹿」
「痛いよマジシャン君、短気だなあ」
「そういう問題じゃねえよ……」
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