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『あっははははは、あははははは、はははは……ふぅっ』
普段は全く人気のない路地裏に二人の影があった。
一人は冷静に前を見据えており、もう一人は何故か涙目になりながらも大爆笑している。
『何がそんなに面白いんだ?』
冷静に前を見据えていた人間はまるで生きる気力があるのか疑いたくなる程、声に力が入っていなかった。
『朔夜(サクヤ)~なんでそんなにテンション低いんだよ~』
『俺は雅夜(マサヤ)みたいにネジが緩んでないからな、それにテンションの問題じゃないだろう?』
二人の足元は真っ赤に染まっているのに、全く気にする事なく話をしている。
『俺はネジが緩んでる訳じゃないぞ?!ネジがないだけだ!!』
『それはもっと悪いと思うが…気のせいという事にしとこう。』
そんな他愛のない会話をしながら、その血まみれの現場から離れていく二人。
そして翌日、テレビでその時のニュースが報道されていた。
『昨夜、午前五時過ぎ人気の無い道路で死体が見つかったそうです。なお…』
そのニュースを学校に行く準備をしながら、見ていた雅(ミヤビ)は可哀相に、と軽く思うだけだった。
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