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しばらく過ぎ、最初に口を開いたのはまひるの方だった。
「羽音、冗談でしょ。
私たち今16歳だよ?
結婚なんて簡単に
言っちゃいけない。」
心に淋しさが募った。
まひるの言い分は当然の事で、自分は何を考えているのかと自嘲せざるをえなかった。
「それもそうだな。
でも、そのおじさんの所は出て僕の家に来い。」
まひるは僕の言っている
意味が分からないのか
小さく首を傾げた。
僕はそっとまひるのブラウスの袖をめくりあげた。
「あ‥」
まひるはようやく気付いたようで罰の悪そうに僕から目を背けた。
「辛いんだ、知ったからには、放っておけない。
うちに来て。嫌だって
言っても絶対連れてく。」
まひるはしばらく僕の顔を眺め小さく頷いた。
僕は腕を引いて彼女と一緒に、あの家に帰った。
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