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公孫讃に別れを告げて、少し。
「私もここでお別れいたしまする。劉備様。関羽殿、張飛殿。」
私は口を開いた。
「本当に、いっちまうのか。なぁ兄者。考え直してくれよ。」
「駄目だ、張飛。少しは大人になれ。別れを惜しんでばかりはいられぬのだ。これも趙雲のためなのだから。では、趙雲。さらばだ。しっかりやるのだ。」
劉備様は毅然といい放ったが、やはり関羽殿、張飛殿は残念そうであった。
私にはその気持ちがとても嬉しかった。
「はい。必ずや再び、劉備様にお会いします。その時は必ず。」
「そうじゃ、待っているぞ。」
「ではっ。はいやっ」
私は溢れそうになる涙を必死に堪え、馬を走らせた。
必ずや。
私は再び繰り返すように、胸に誓い、馬に鞭をいれるのだった。
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