241人が本棚に入れています
本棚に追加
「おかえり、雄太。」
少女はやわらかく微笑んだ。
あまり顔色がいいとは言えないし、元気があるようでもないが、彼女の笑顔は輝いていた。
「起きてて大丈夫なのか?」
「ええ。今日はとっても気分がいいの。
…それよりも雄太。すごい汗よ。」
側に置いてあったタオルで、雄太の額の汗を拭う。
すらっと伸びた細い腕は、夏には似合わない白さだった。
「また走って帰って来たの?」
「おう!早く蛍に会いたくて!」
言いながら雄太は蛍の髪を撫でる。
最初のコメントを投稿しよう!