記憶の中の君へ

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「もうすっかり夏だね…」 蛍がぽつりと呟いた。 「あと半年で卒業、だね。」 卒業。 それは別れを意味するものであると、ふたりは随分前から分かっていた。 だからこそ一緒にいられる残り少ない時間を、ふたりは大切にしていた。 雄太が毎日学校が終わると同時に走って蛍の家まで来るのもそのためだった。
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