ぺんたん町へ

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「お嬢様!!!どちらへ行かれるのです?お待ちくださいませ!お嬢様!!!」 バタン、ドタドタドタ! 『王子様を探しに行くのでしゅ!』 バン! ニヒッと笑ったお嬢様と呼ばれるその娘は 屋敷の窓からひょいと外へ飛び出して行った。 「何だ、朝から騒々しい。」 と、髭をなでながら出てきたのは娘の父である、 ロビンスター子爵。(詳しくは面倒くさいので蒼天旅団の死神の書く小説を読むが良い) 「旦那様、お嬢様が!窓から…」 娘を追いかけていた若いメイドが申し訳なさげに頭を下げると、 「はっはっは、あいつもしょうがないなぁ、若い頃の母親にそっくりだ。 飛び出していっても、たまに戻ってくるさ。あいつの好物はいつでも出せるように 管理しておきなさい。それから着替えもいつ取りに来てもいいように用意してカバンにまとめておきなさい。」 と、また髭をなでながら部屋へ戻っていってしまった。 「かしこまりました。」とメイドたちはポカーンと口を開けて 開け放った窓の外を見ていた。 「ペンギン~?ペンギンどこ?」 と、その娘の名を呼ぶ一人の女性。 「あ、奥様、お嬢様は、あの、その…、窓からお出掛けになられました…」 「…。」見つめ合うメイドと母親。 「そっか、じゃ、仕方ないわね。」 と、さらりと言い、父親と同じように、 「いつでも~」とメイドたちに用意の指示を出し、 「お小遣い足りるかしら。でも、私に似てきたんだ~嬉しいな~うふっ」と朝食の部屋へ入っていった。 あっけに取られている若いメイドに古株のメイド長は、 「あなた入って間もないから理解するには時間が掛かるだろうけど、 じきに慣れるわよっ★」とウインクした。 タクティクスアイランドのファーレン王国の中でもトップクラスの高貴な子爵家の娘、ペンギンの物語です。 この物語はパロディです。
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