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半年後…
~ここはファーレン国内の北限にあるウドイカッホ町~
この町にあるお菓子屋の娘は悩んでいた。
『あぁ、新製品が思い浮かばない。何かパンチがほしいのになぁ。』
ため息まじりに食材の図鑑をパラパラめくっているこの娘は【宵闇のハーリィ】と言う雪のように白い肌と流氷のような淡いブルーのロングヘアーのたいそう美しい娘である。歳の頃は二十代半ば。
父も母も戦場で亡くした。店は一人で切り盛りしている。
ハーリィは腕のたつソーサラーでもあり、度々戦場に駆り出されているが生まれ育ったこのウドイカッホ町を観光客でいっぱいにしたくて今は亡き祖父の代から続くお菓子屋を大きくしようと頑張っていた。
ハーリィのその祖父も偉大なソーサラーで自ら呪文を生み出したりもしてたのでファーレン王国の裏側と繋がっていたらしいが何も残さずに亡くなり、父母も先立ってしまった為、町では伝説みたいになっている。
が、祖父は可愛がっていたハーリィにだけ、
『誰にも教えるな。ワシの血を濃くひくお前のソーサラーとしての力を持て余さぬよう、ファーレンが滅びぬよう、そして第一にお前を守るためにこの呪文を授ける。』
と、たぶんファーレン、いや世界でたった一人使うことができる秘密の呪文を伝授された。
画像(読者より🎁無料アバターによる宵闇のハーリィ)
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