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トールは通信が切れたのを耳だけで確認し、改めてライフルのスコープを覗き込んだ。
前線が、トールのいるビルの近くまで迫っていた。
それより、レッジャーノ・パルミジャーノの二人が見当たらないのが気にかかる。
直後、トールは背後からの殺気に気がつく。
――ガガガガッ!
とっさに横に飛ぶと、今までいた場所が蜂の巣になる。
「チッ…。」
小さく舌打ちすると近くの窓に飛び乗る。
ここは三階。
しかし逃げ道はちゃんと用意してある。
素早く雨水の配水管を掴みビルの壁に沿って跳ぶ。
一度、排気口に着地すると再度跳んで隣のビルの屋上に着地する。
すぐさま転がるようにして中へ入る。
その刹那、着地した地点がはぜる。
追って来ている…下へと続く階段を飛び降りながら、襟元の通信機を口元に寄せる。
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