硝煙の香り

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「よぉ、トール…どうした?」 「どうもしてない。」 煙草を吸うトールの周りに暗い雰囲気が立ち込めている。 模擬戦の終わってすぐ、デパートの入口でトールを見つけたサク。 トールの投げてよこした銃をキャッチして、腰のホルスターにしまった。 「首尾は上手くやったようだな。」 「サク、貴様のせいで…。」 「ん、なにが?」 「いや、なんでもない。」 「…?」 遠くにレッジャーノとパルミジャーノが校舎へ歩いて行く姿が見える。 すると、パルミジャーノがこちらを振り向いて…「べーッ!」舌を出して、そして校舎へ消えていった。 「ははぁん、なるほどな。」 「…、晩飯はサクのオゴリだ。」 煙草を地面に捨て、つま先で揉み消すと校舎へ向かい、歩き出した。
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