9456人が本棚に入れています
本棚に追加
かったるそうに歩く衛と、正反対に軽い足どりで歩く幸介。
俺はそんな2人に挟まれて廊下を歩く。
「うわぁ…」
数分後、購買に到着。購買は相変わらず凄い人だ。
生徒の人数に対して購買の規模は小さいため、毎日昼は戦場になる。
「こーすけ。100円やるから行ってきて」
衛が購買の側にあるソファーに座り、幸介にお願いする。
「やりっ。いつものだよな?」
そう確認すると、幸介は素早く人混みの中へ消えて行く。
「俺も行こ」
気が引けながらも人混みへと歩き出した時、小さな悲鳴が聞こえた。
「きゃっ」
「?」
「やだっ…500円落とした。どこ?」
こんな人混みで小銭落とすなんて災難だな。まず見つからないよ。
そんな事を思いながら前に進む。
チャリ。
―…何かを踏んだ俺。
まさか…ねぇ?
でも確認するにも、こんなに生徒がいたんじゃ屈む事も出来ない。
仕方ない。
俺は、右足を引きずったまま人混みから一旦抜ける。
.
最初のコメントを投稿しよう!