1796人が本棚に入れています
本棚に追加
「高杉……だったか? 念のため言っておくが、彼女は転入生ではないぞ。」
俺の口から漏れ出した魂の叫びに、担任が冷静に反応した。
「黒部は新入生だ。」
……新入生?
「え? ここ……二年生じゃなかったっけ?」
「彼女は飛び級して、我が校に入学してきた。」
ちょとまて、予想外すぎるぞ。飛び級? 日本で飛び級なんて、それなんてエロゲ?
「……そうなのか?」
「……そうなのです。」
日本って飛び級できましたっけ? 俺の預かり知らぬ所で、日本の法律は変わっているのか?
「わかったか? とりあえず黒部の席は……名前順に北島の後ろに座ってもらおうか。」
呆然とする俺を置いて、ホームルームは淡々と続けられる。
いつの間にか席が決められたかと思うと、自己紹介が続けて行われていった。俺が我に帰ったのは、チャイムの音が教室に鳴り響きホームルームが終わった後だった。
最初のコメントを投稿しよう!