1796人が本棚に入れています
本棚に追加
季節は春風心地良い4月。明日から新学期という春休み最後の日を、俺はダラダラとゲームをして潰していた。
「ところでなんで母さんは俺の事を呼んだんだ? 飯は食ったし……買い物か?」
「ほら、今日はお隣さんが引っ越ししてくるでしょ? ご挨拶に行きなさい、ってお母さん言ってたじゃない。」
むう、そんなつまらない事の為に二次元との戯れが無駄になったのか。義理の妹との、めくるめくイベントが……
「あ、ちなみに越してきたお隣さんには、お兄ちゃんと同じくらいの年の女の子がいるみたいだから、だからお兄ちゃんに行ってきてほしいんだって……」
「なぬ!?」
お隣さんに同い年の美少女が越してくるなんて、これはフラグとしか考えられん! あわよくば、一緒の学校に行く事になってあんな展開やこんな展開に……
いや、待てよ? もしかしたら昔々の幼なじみと再開して、『結婚するって約束したじゃない! 』って事も……!! 俺に幼なじみなんていないけど!!
「お兄ちゃん、同い年かどうかなんてわからない上に、美少女なんて一言も言ってないよ……?」
妹半ば呆れ気味の台詞を聞き流し、ダッシュで俺は居間に飛び込む。母親から献上品を強奪するや否や、靴を履くのもそこそこに家を飛び出した。
さあ美少女とやらを拝もうじゃないか!
最初のコメントを投稿しよう!