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「……どうした?」
十秒近い沈黙が続いた。
少し不審に思った俺は、凜子に問いかける。
「あ、あら、ちょっと私はどうかしていたみたいだわ。紫ね紫、一瞬名前が出てこなかったわ。」
まただ。
あまりにも分かりやしすぎる……が。
その分こちらのダメージもでかい。
紫にアイコンタクトをとると、紫も同じ事を考えていたらしい。
小さくコクリと頷いた。
「ちょっと凜子ちゃん疲れすぎですよ?今日はもう帰った方がいいですよ。」
「……そうだな。お前まで、病院の厄介になる訳にはいかないしな。」
俺達がそう言うと、腑に落ちないような表情だったが凜子は頷く。
「そうね……また明日来る事にするわ。」
「北島、ちょっとお前……凜子を送ってってやれよ。」
「え、う、うん……」」
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