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「高杉さん……」
俺を呼ぶ紫の瞳は、潤んだ俺の姿が映ってる。
駄目だ……俺が泣きそうになってどうするんだ。
一番辛いのは紫なんだぞ!
「高杉さんも……いつか私を忘れてしまうのですか?」
「そんな訳あるかっ!!」
……そんな訳……
本当に無いと言えるのか?とチラリと頭を掠める。
いや、無い。忘れたりなんてするものか。
「あっ……」
目の前の紫の体を抱き締める。
この体……声も、表情も、体温も感情も言葉も、今ここに実在するものだ。
俺の記憶には、深く深く刻みつけられているんだ。
決して、忘れたりなんてしない……
「高す……いえ、亮太さん。」
「俺は、忘れたりなんて、しない。それは絶対に絶対にだ。例え誰もが忘れても、俺の心はお前の事を忘れない。」
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