1796人が本棚に入れています
本棚に追加
「おはよう亮太。」
「雪那か……おはよう。」
そろそろ学校が見えてくるといった所で、後ろから雪那に呼びかけられる。
「亮太……」
雪那は俺の顔をまじまじと見つめたと思うと、整った顔立ちを少しだけしかめる。
「……どうしたんだ?」
「かなり疲れた顔をしている。何か……途方もなく大きな壁を目の前にしているみたい。」
「……そんな風に見えるか?参ったな。」
雪那の指摘は的確だ。
それ故に、自分がどれだけ思い詰めているのかよく分かる。
「無理しないで、って言っても駄目よね。ならせめて、自分の現状をよく理解して。今の亮太……凄く危なっかしい。」
「ああ、分かってる。分かってはいるんだ。」
そう、分かってはいるんだ。
だが、どうしようもないのも事実……
最初のコメントを投稿しよう!