取り出したるは秘密のお薬……そんなんで解決しないのが現実

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「おはよう亮太。」 「雪那か……おはよう。」 そろそろ学校が見えてくるといった所で、後ろから雪那に呼びかけられる。 「亮太……」 雪那は俺の顔をまじまじと見つめたと思うと、整った顔立ちを少しだけしかめる。 「……どうしたんだ?」 「かなり疲れた顔をしている。何か……途方もなく大きな壁を目の前にしているみたい。」 「……そんな風に見えるか?参ったな。」 雪那の指摘は的確だ。 それ故に、自分がどれだけ思い詰めているのかよく分かる。 「無理しないで、って言っても駄目よね。ならせめて、自分の現状をよく理解して。今の亮太……凄く危なっかしい。」 「ああ、分かってる。分かってはいるんだ。」 そう、分かってはいるんだ。 だが、どうしようもないのも事実……
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