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「そんなに……大変な状態なの?」
「紫の事か?」
俺の問いに、雪那はコクリと頷いた。
大変な状態……事情を知らない皆には、一体何が何やら分からないのだろう。
だが、現状は限り無く絶望的となっている。
「……もうどうしようもないの?」
俺の表情から察したのだろうか?
雪那は瞳を悲しげな色に染め、俺の顔を覗き込んでくる。
何とかしたい……が、何ともできない……
「高杉君。」
暗い雰囲気を纏わせている俺達に、北島の声がかかる。
「高杉君と紫さんがどんな状況なのかは知らない。事情も現状も想いも全部、僕には全く分からない。けどね……」
そこで一旦、北島は言葉を切った。
北島の顔には、真剣な色が浮かんでいる。
「でもね、どんなエロゲーでも必ずハッピーエンドになるんだよ。それは絶対に絶対。しかしそれには、1つだけ必要な事があるんだ……」
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