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夢を見ている――――
これは僕の記憶――――
今も心に残る傷痕――――
今にも打ち破られようとする家の扉―――
『アージュいいわね?家を出たら森のずっとずっと奥まで行くの。絶対に戻ってきてはダメ』
名前を忘れてしまったあの人が僕に話しかけている。
―――お母さんはどうするの?
『‥‥‥大丈夫。私もお父さんもあとから行くわ。さぁ行って』
あの人の名前は思い出せない―――
でも、これだけは覚えている。
この時のあの人の笑顔はとても悲しそうだった―――
―――――――
―――――
―――
――
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