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暫く立ちすくんでいたような気がする。ぼーっと空を見たり、庭先から覗くデイジーやガーベラ……色とりどりの花を眺めたりしていた。
そうしてても、いつまで経っても誰一人姿を見かけなかった。
恐ろしいまでの独り。気味の悪い静けさ。冗談抜きでここには僕しかいないのか?
道路の真ん中に座りこんでも、でたらめな鼻歌を歌っても、わめいても笑い転げても、ずっと独り。
いい加減気が狂いそうになって、とうとう意を決して立ち上がってみる。ここでこうしてても埒があかない。
しょうがない、ちょっと億劫だけど――どうやら臆病な僕は、現状を打開すべく漸く動き出す気になってくれたようだった。
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