第二章 対峙

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「堀谷君、被害者は頭の銃創からすると真正面から撃たれてるよね?」 「はい」 「そしてそのまま後ろに仰向けに倒れた…ってことは被害者はさっき僕らがいた休憩所に背を向けて立っていたって事だ」 「はい、だから犯人は向こうに立っていたと思われます」 「ただ1つ気になるのがこれだ」 志津里は死体の横にあったタバコを拾った。 「火の着いてないタバコを持ってた。ライターも落ちてる」 「はい、そうですがそれが何か…」 「休憩所に背を向けるって事は休憩終わりだ、部屋に帰る人間が今からタバコは吸わないでしょ。って事はタバコに火を着けかけた時に誰かに呼び止められた…うーん」 堀谷は志津里が何に悩んでいるのかが分からなかった。 「とりあえず第一発見者に会いに行こう。誰?」 急に切り替わった志津里に堀谷は慌てた。 「第一発見者はここの弁護士で藤井香緒里さんって方です」 「じゃあ行こうか、案内してよ」
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