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外村は志津里が強盗説に疑問を持っていることがわかった。しかし、反論の余地はある。
「しかし君、顔見知りであったとしても強盗である事に気が付かなかったのではないかな?声を掛けられ振り返ってみたら自分の担当した事件の関係者が立っていた…そして気を許したところを撃たれた。そうも考えられるんじゃないか?」
しかし志津里はさらに疑問をぶつけた。
「というよりは部外者が居るには不自然な時間じゃないでしょうか。それこそ怪しくて警戒すると思いますがね」
なるほど、ちょっとした穴だ。しかし気にする必要はなかった。
「だったら内部の者だというのかね?」
外村は少し怒りを表す口調で言ってみた。
「いや、そういうつもりじゃないんですが、お気に触ったのなら謝ります」
「当たり前だ。私達の中に同僚を殺す様な人間はいない!確かに彼は昨夜に変な逆恨みで殺されたんだ!現に彼の機密な資料も奪われた!違うかね!」
「すみません、それは分かってるですが、いろいろな仮説を立てただけなもんで…すみません、ありがとうございました。失礼します」
志津里は申し訳なさそうな顔をしたがどうも本心は別のところにあると外村は感じた。
志津里を侮ってはいけない、気を付けないとと肝に命じた。
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