第三章 進展

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       10 志津里と堀谷は外村法律事務所を後にして、ファミリーレストランに来ている。 「堀谷君あのさぁ、ちょっと思ったんだけどさぁ」 堀谷は志津里の切り出し方が気になった。 「なんですか?」 「第一発見者の弁護士さん…綺麗な人だったね」 この話し方は先程と違って間抜けな印象を受ける。 「そうですね。同い年とは思えない位大人っぽい感じでしたね」 堀谷は特に興味がなかった。 「君も化粧でもしてみたら?娘も最近化粧し始めて困ってんだ。まだ高校生なんだからしなくていいって言ってんだけど言うこと聞かないんだよ」 また娘の話だ。志津里はかなり子煩悩である。しかし志津里は話題を変えた。 「そう言えばあのさ、事件の事だけど本当に強盗が入ったと思う?」 「いやぁ、志津里さんの指摘は気になりますがまだ解らない事も多いですよね」 「でもね、外村弁護士は要注意だね」 堀谷はその意見に驚いた。 「どうしてですか?内部犯行説を否定したから?」 「いやいや、それは別に自然だよ。ただ最後内部犯行説を否定した時にさ…」 その時「ご注文お伺いいたします!」と店員がやってきた。 話の腰を折られた志津里は不満な顔を見せたが、渋々メニューを開いた。 「モーニングセットみたいなのある?」 「はい!ございますよ!」 店員はすごい爽やかだ。 「じゃあ僕はそれで」 眠気も相まって店員とのテンションの対比が激しい。 「私は爽やかポン酢豚カツ定食を」 すると店員の「以上でよろしいですか?すぐお持ちしますね!」の声が響いた。 「そんなの食べるの?よく食べるな朝から」 志津里は驚きながらも呆れた。 「最近お腹めちゃ減るんですよ」 「成長期なんだね…で何の話だった?」
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