第四章 核心

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「現地集合でした。8時20分頃に私は他の皆さんと行きました」 「一番最後に来られた方は誰ですか?」 「どうしてですか?」 最後に来たのは外村だ…香緒里は再び嫌な予感がした。 「最後に来た方は何時頃に来ましたか?」 「最後に来たのは所長です。9時丁度位に来ました」 「所長さんですか、なるほどそうでしたか。あと所長さんは事務所から来られたんですか?」 「いえ、所長は自宅から来られました。その日は所長は午前中に仕事を終えたはずですから」 香緒里は正直に答えた。志津里は確実に外村を疑っている… 「あの、なぜあなたは所長の事を知りたがるんですか?所長が事件に関係しているって思ってるんですか?」 「いやそうじゃなくて、事件の夜に事務所に増谷さん以外の人間がいなくなった時間が知りたかっただけなんです」 「私達が最後に出たので8時20分位には増谷さんだけになったと思います」 「そうですか。お忙しい中ありがとうございます。では失礼します」 志津里は香緒里のオフィスを去った。 香緒里は所長を疑っている志津里に嫌悪感を抱いた。なんだって外村にこだわるのか…香緒里にはよくわからなかった。
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