第一章 企み

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       3 全ての仕事を終えた外村は自宅に戻って今日の段取りを頭の中で繰り返していた。多少粗っぽい感じはするが抜かりはないだろう。 外村は自身に満ちていた。数々の裁判を通して警察の捜査というものをみてきたが、どうにもなるまい。増谷は今担当している事件の関係者に襲撃されるのだ。  弁護士という仕事は誰かの味方になるという仕事だが、同時に敵も多く作る事になる。誰かの恨みを買う事は日常茶飯事だ。外村も幾度となく恨みを買う事があった、恨まれるだけだったが… 日が沈みかけ空が蒼黒くなっている、そろそろ動き出そうと外村は腰を起こした。
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