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―この涙は誰の涙だろう…?雨の中、親友の血が流れていくのを俺はただ静かに見つめていた。
君を取り戻せるのに、心は晴れない…。
涙は誰が流したのか?
あいつはいつだって、俺と一緒だった。なのに…、あいつは泣いていた。死ぬのに、俺が裏切ったのに…俺のために泣いていた…。
「なんで泣くんだよ…。」
「雄二…、ごめんな…。」
そう言いながら、あいつは泣く。雨の中、俺の腕を掴みながら…。
「気付いてやれなくて…」
「俺はお前を殺してんだぞ?お前を…裏切ったんだっっっ!」
「それでも…俺の親友だから…。」
「…っ!」
そう言いながら、親友は微笑んだ。俺を責めず、ただ静かに微笑んだ…。
「雄二…、ごめん…。」
それが親友の最後の言葉だった。
冷たくなっていく親友の身体を抱き締め、俺は笑っていた…。
「ははは…、お前バカだよ…。謝るのは俺なのに…っ!」
その時、俺は泣いていたのかもしれない。親友の身体を強く強く抱き締めながら…。
涙は雨に流されて、泣いていたのかさえもう思い出せない…。
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